新旧の資料を見比べる仕事では、「変更点をまとめて」とAIへ頼むだけでは足りません。抜けがあっても、もっともらしい文章になっていれば気付きにくいためです。
そこで使うのが、変更点をページ番号・変更種別・根拠・確認状態で返させるプロンプトです。狙いはAIに最終判断をさせることではなく、人が原本へ戻って確認しやすい表を先に作ることです。
検証日:2026年7月25日。個人情報を含まない自作の2ページ資料2版を使用。あらかじめ決めた5つの差分と、判定しない画像差分を照合しました。
要約ではなく「確認表」を先に受け取る
資料比較で必要なのは、読みやすい感想ではありません。たとえば数値、責任者名、期日、条件文、表の列名が変わったなら、どこに書かれているかを追跡できる必要があります。
| 出力欄 | 役割 |
|---|---|
| ページ | 原本へ戻る場所を固定する |
| 変更種別 | 追加・削除・表現変更・数値変更を混ぜない |
| 新旧の要約 | 長い引用ではなく、比較の焦点だけを残す |
| 確認状態 | 確認できたものと、画像・OCRなどで保留にすべきものを分ける |
実際に使ったプロンプト
重要な条件:
1. 変更を推測しない。読めない文字、画像内の内容、表の対応関係に確信が持てない場合は「保留」とする。
2. 各行にページ番号を付ける。ページを特定できない場合は結論を出さない。
3. 変更種別を「追加・削除・数値変更・表現変更・要確認」に分ける。
4. 新旧の文章を長く転載せず、確認に必要な最小限の要約を書く。
5. 数値、日付、固有名詞、条件文は別欄で優先確認として印を付ける。
6. 最後に「確認できた変更」「保留」「比較対象として不足している情報」を分けて出力する。
出力列:No. / 旧版ページ / 新版ページ / 変更種別 / 確認ポイント / 優先確認 / 状態 / 保留理由
自作資料で確かめたこと
テスト資料には、期日の変更、数量の変更、担当者名の変更、条件文の追加、表見出しの変更を入れました。プロンプトは5件をページ番号付きで分離し、画像だけで判定できない差分を「保留」としました。
ここで重要なのは、保留を失敗として扱わないことです。画像内の小さな注記やスキャン品質が悪い文字を断定してしまうほうが、実務では危険です。比較できなかった理由を残せば、次に誰が原本を確認するかを決められます。
実データへ進む前に止まる条件
- 契約、法務、個人情報、顧客情報を含む資料は、利用中のAIサービスのデータ取り扱いを確認できるまでアップロードしない。
- ページ番号がずれる、OCR結果が不安定、版の取り違えがある場合は比較を止める。
- 重要な数値・期日・条件は、必ず原本の目視確認を残す。
PDFや文書のアップロード可否、ファイル上限、視覚情報の扱いはサービスや契約により変わります。利用画面と公式案内を確認し、機密資料をテスト入力へ使わないことが前提です。
まとめ:AIの結論ではなく確認場所を再利用する
この手順で再利用するのは「差分の答え」ではなく、ページ番号・保留・優先確認を伴う確認表です。まずは答えが分かっている小さな資料で、どの差分を拾い、どこで保留になるかを試してください。
参考情報
本記事は、個人情報を含まない自作資料でプロンプトの出力形式を検証したものです。AIの比較結果は、契約・法務・会計などの判断を代替しません。


